『リファクタリング ウェットウェア』

少し前になりますが、リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法(原著: Pragmatic Thinking and Learning)という本を読みました。達人になるための脳の使い方が色々と紹介されています。プログラマ向けの例えは出てくるのですが、プログラマ向けではなく、「学習をする」すべての人向けです。

全体の所感としては、「実践してみると思いがけない効果がある」ということ。単なる実践ノウハウ集ではなく、各ノウハウともにそれなりの根拠が示されています。多くの例が示されているので全てを実践するのは難しいかもしれませんが、頭の片隅に置いておいていずれ試してみるのでも良いかもしれません。

一番印象に残ったところは、「Rモード」の存在。モードとは、脳を機能別に2種類に分けたもの。L, R があり、Lは分析的・論理的、Rは直感的・全体論的。LとRをうまく組み合わせて機能させることが重要ということです。

もう一つ印象に残ったことは、ドレイファスモデルに基づく作業方法です。このモデルでは、技術習得のレベルを5段階に分けています。これを実際に適用するときのコツとしては、初心者(最低段階)→ルールに従え、熟練者(最高段階)→直感に従え とのこと。また、ここで印象に残ったアイディアとしては、「習得する技能を習得すること」。ある一つの分野で熟練者になると、その課程で、「習得する技能」を習得することができ、さらにそれを他の分野に応用できるというものです。しかし、熟練者になるには一般的に、厳しいトレーニングを10年続ける必要があるとのことなのですが...

さて、本を読んだ後、載っているいろいろなアイディアを試したくなり、早速以下を実践しました。
  • メモを取れる道具を常に持ち歩く
  • Wikiを導入
  • モーニングページ (時々マインドマップを書いている)
  • MBTI性格テスト (タイプ別性格診断) →※

面白かったのはモーニングページ。これは起床後すぐに、思ったことをひたすらノートに書き続けるということ (3ページ)。私はマインドマップを書くということで実践しています(時々)。「パン焼かなきゃ」「SPEEDの曲が聴きたい」など普段はテキストに起こさないような内容があるのと同時に、「仕事ができない」→「ステップアップしよう」、「職場環境を変えたい」→「アクションを起こそう」などと有意義な(?)ものも書かれていました。普段いろいろなことを考えているわけだと再認識...。(もし思考を上手くコントロールできたら、かなり多くのことを考えることができるのかもしれません。)

(※MBTIテストの結果は、ENFP型: 外向型・直感型・情緒型・柔軟型 でした。)

ほかにも、やったら効果があるだろうなと思えることがたくさんありました。(自分メモとして) 実践してみたい内容を列挙してみます。
  • 認知転換を経験する (絵を描き写す...ただしそのときに認識した物に対して敢えて名前をつけない練習)
  • 比喩を日頃から積極的に使う
  • イメージストリーミング (浮かんでくるイメージを、声に出す)
  • 自分にある認知バイアスを挙げる
  • 自分と正反対の性格の人と関わったらどうなるか、考えてみる
  • 自分の知能のうち、もっとも優れているものは何か?
  • 些細なことでも、目標を作るように意識する。(たった5分の作業でも...)
  • 目標は、SMARTなものを
    • specific (具体的に)
    • measurable (成果が分かるように)
    • achievable (ちゃんと達成できるように)
    • relevant (適切に)
    • time-bound (期日を設定)
  • 書籍からの学習は、SQ3R
    • survey (要旨をつかみ、目次や要約を流し読み)
    • question (疑問点を列挙)
    • read (全文を読む)
    • recite (自分の言葉でまとめる)
    • review (まとめ)
  • PIP (pragmatic investment planning) で計画を立てる
    • 具体的な計画 (現在の目的・短期的な目的・長期的な目的)
    • いろいろな分野に投資する
    • 受け身ではなく積極的に
    • 定期的に投資する (定期的に時間を確保する)
    • 計画を随時見直しする。
  • 定期的に瞑想する。 (リラックスした集中状態を作り出す練習)
  • 勉強会を開く。


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